私たちの生活は、直接目には見えなくても、様々なインフラやつながりに支えられています。突如訪れる自然災害や、気候変動による一次産業への影響、輸入に頼る資源の高騰など…。土台が揺らぐことは、全てが揺らぐことです。
とはいえ「防災(レジリエンス)が大事」「カーボンニュートラルが大事」と言われても、どこか遠くのことに感じられて、自分で経験してみないとなかなか自分ごとにできないのも事実。
しかし、経験してから気づくのでは手遅れになってしまいます。
日本には「用の美」という考え方がありますが、これはエネルギーにも言えることだと感じています。大切な備えを非日常のものとして扱うのではなく、日常の中に設(しつら)えることができれば、災害の多い日本でも、多世代が安心できる土台をつくることができるからです。
自然からの電力をはじめ、食べものに水、建築などのライフラインを自給する「オフグリッドな場」をつくり、それらをゆるやかに結びつけることができれば、有事にも備えながら、結果としてカーボンニュートラルに近づくことが可能です。
WE MAKE ENERGYでは、このような場づくりを追加の費用を捻出するのではなく、この先20年30年と払い続ける電気代などのエネルギー費用を財源として捉え、その枠内で適切にデザインし運用することで、未来に向けて希望のある場を実現していきます。
私たちに欠かせない一番の土台は自然であり、地球。単に思想や信条の問題ではなく、自然こそがライフラインの源だからです。
WE MAKE ENERGY は「生活に不可欠」で「自然と切り離すことのできない」ライフライン(=エネルギー)を自給できる場づくりと、事業から生まれる収益やコスト削減の一部を循環投資することで、人間も自然も共に良くなっていけるリジェネラティブな場をつくることを目指します。
その積み重ねの先に、私たち一人ひとりが、本当に大切なものを大切にできることを願って。
「エネルギーってとても大事なものなのに、自分たちは使うばかりで、誰を、何を信じていいのか分からない。これって『食』にまつわる状況と同じなのでは...?」
当時、年間述べ 150 万人が訪れるようになっていた青山ファーマーズマーケット(Farmers Market@UNU)。立ち上げから 12 年間その企画運営に携わっていた田中は、そんなモヤモヤを抱えていました。
一方、外資系太陽光パネルメーカーの社長として奔走していた山本。「なぜこの業界ではこんなにもトラブルが絶えないの だろう?真心込めて取り組んでくれる人と一緒に、信頼できる仕組みをつくりたい」と、メーカーの枠を超えた解決策を 模索していました。
そんな二人が出会ったのは、田中の独立が決まり、青山ファーマーズマーケットの運営に携わる最終日のことでした。 とある果樹農家さんが、ふと電話をして、つないでくれたご縁。
たまたま青山の美容室に来ていた山本が、最後のテントの片付けをしていた田中のもとを訪ね、言葉を交わしたのをきっかけに、そこから3年間、お互いのビジョンや想い、エネルギーを巡る現状について議論を重ねてきました。
結果、エネルギーやライフラインの自給を当たり前にしていくためには、家庭や工場、駐車場や農場など幅広い「場づくり」において、建物や設備だけを扱うのではなく、周りの環境や人間との関わりまで一緒にデザインしていく必要があるという考えに至り、WE MAKE ENERGYとしてスタートを切ることになりました。